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遺産分割

2022.06.10

調停による遺産分割 その2〜調停の申立〜

 遺産分割調停は、裁判所での遺産分割調停を希望する相続人が、家庭裁判所に調停申立書を提出することによって始まります。調停申立書を提出した方を、「申立人」と呼びます。

調停申立書には、申立人の氏名や住所、亡くなった被相続人の情報、申立人以外の相続人(調停手続では「相手方」と表現されます)の情報、相続財産の情報のほかに、遺言書の有無などを記載されます。また、戸籍や住民票、登記簿謄本などの添付資料の提出も必要になります(詳細は裁判所のホームページで確認することができます)。

調停の申立は、遺産分割調停を希望する相続人本人でもできます。ただ、代理して申立をすることができるのは、弁護士のみです。弁護士以外の者が代理人となることはできません。

調停の申立が受理され、裁判所内での手続(裁判所内部での配点や、調停委員の選任など)を経ると、第1回の調停期日が決められ、呼出状が相手方に送られます。

相手方には、申立内容について回答を求める書面が送られます。第1回調停期日までに裁判所に提出するよう求められますが、間に合わなくても第1回調停期日が開催されます(その場合は調停委員から質問されることになります)。

第1回調停期日においては、申立人と相手方双方が調停を行う部屋に呼ばれ、調停の手続について説明を受けます。本来は同席で行うべきですが、感情の対立などから、別々に呼んで説明をすることも少なくありません。

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2022.04.06

調停による遺産分割 その1〜調停とは〜

 協議による遺産分割ができない場合は、裁判所の手続で遺産分割をすることになります。裁判所での遺産分割の手続は、「調停」と「審判」があります。

まずは、「調停」という手続についてお話をさせていただきます。

「調停」を辞書で調べると、「第三者が紛争当事者に介入し、当事者双方の譲歩を引き出し、合意により紛争を解決に導くこと」という意味であることがわかります。調停のポイントは、相続人である当事者以外に、第三者が介入するという点です。

裁判所での調停で、この「第三者」に該当する存在が「調停委員会」です。この調停委員会は、原則として1名の裁判官と、2名の調停委員の3名によって構成されます。

裁判所の調停は、この3名の調停委員会によって進行されることになります。もっとも、裁判官は多くの事件を抱えているので、常に調停の場に同席しているわけではありません。そのため、進行の大部分は調停委員2名によって行われます。

調停委員会が争いになっている点を整理し、感情的な対立を抑えることで、話合いによって解決する手続が調停になります。話合いがまとまらない場合は、調停は不成立となり、審判という手続に進むことになりますが、調停によって話合がまとまるケースは少なくありません。

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2022.03.10

協議による遺産分割

協議による遺産分割

遺産分割の手続は、「裁判所での遺産分割」と「裁判所以外での遺産分割」があります。後者を「協議による遺産分割」と呼ぶこともあります。

協議による遺産分割は、相続人全員が遺産分割について協議し、分割内容に合意をすることで成立します。相続財産に不動産が含まれ、登記が必要な場合などは、遺産分割協議書を作成する必要がありますが、そうでない場合は作成しないこともあります。

ただ、協議書を作成しない場合でも、預貯金を解約する際は、分割の結果を所定の用紙に記載し、相続人全員の実印と印鑑証明が必要となる場合がほとんどですので、協議の結果が書面化されると思います。

遺産分割協議書に押印される印鑑は、実印である場合がほとんどです。登記等の手続において実印での協議書が必要になるためです。

そのため、印鑑登録をしていない場合は、実印の登録が必要になります。

協議による遺産分割については、弁護士以外にも、行政書士や司法書士など、さまざまな士業の方が関わっています。ただ、弁護士以外の士業の方の場合、相続人同士が対立していないことが条件です。協議による場合でも、相続人同士が対立している場合は、弁護士でなければ代理人になることができないので、ご注意をいただければと思います。

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2022.03.02

法事にかかる費用の分担

お葬式以外にも、さまざまな法事(法要)があります。

どれだけ頻繁に法事を行うかは、地域やそれぞれの家庭によって差があると思います。

ところで、将来の法事の費用について、遺産分割で決めることはできるのでしょうか。

まず、相続人同士の合意によって、法事の費用の負担を決めることができます。もっとも、いつ、どの法事を、どの規模で行うかという詳細な内容で合意することは少なく、「相続人の一人が一切を取り仕切ることを条件に、費用もその者が負担する」といった内容での抽象的な決め方になることが多いでしょう。

合意がない場合はどうなるでしょうか。法律上、祭祀承継という制度があります。これは、位牌やお墓などの祭祀財産と呼ばれる物を承継する者を決める手続きです。祭祀の承継者が決まらない場合は、申立により家庭裁判所が決定する場合もあります。

しかし、祭祀承継者は、祭祀財産を受け継ぐという意味に留まり、法要を主催する義務があるわけではありません。そのため、将来の法事に必要な費用の分担者を裁判所が一方的に決めることはできないということになります。

以上のように、法事の費用分担は、相続人の合意がベースになっています。遺産分割で深刻な対立が生じると、将来の法事にも悪影響が生じてしまうリスクもあると思います。

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2022.01.26

遺産分割とお葬式

人が亡くなれば、お葬式を挙げることになります。

最近では、家族葬などの小規模な葬儀が多くなってきたようです。

お葬式を挙げるには、葬式そのものの費用以外に、戒名の費用など、さまざまなお金が掛かります。この葬儀費用を、遺産から支払うことはできるのでしょうか。

相続人全員が合意すれば、葬儀費用を遺産から支払うことが可能です。そのため、遺産分割にあたり、葬儀費用を差し引いた残額を遺産分割の対象にする旨の合意をすることはめずらしくありません。

合意ができない場合は、葬儀費用を誰がどれだけ支払うかについて、裁判で決めることになります。もっとも、葬儀費用の負担と遺産分割は異なる手続ですので、葬儀費用の負担について決着がつかなくても、遺産分割を進めることは可能です。

そのため、実務上は、遺産から葬儀費用を支払うことについて合意がされない場合でも、裁判をすることなく、喪主の自己負担として扱うことが多いようです。

なお、香典がある場合、葬儀費用から香典を差し引いた金額を葬儀費用とするケースが多いと思います。

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2022.01.12

債務と遺産分割

 亡くなられた方に借金があった場合のように、債務を負担していた場合、相続にはどう影響するのでしょうか。

法律上、遺産分割とは亡くなられた方の財産を分割する手続であり、債務については遺産分割の対象にならないとされてます。相続人が、それぞれ法定相続分の範囲で、債務を負担することになります。

もっとも、相続人全員と、債権者が合意すれば、特定の相続人のみが債務を負担することができます。その場合は、債権者と交渉をしなければなりません。

よく見られるケースとしては、遺産分割が成立する前に、遺産である預貯金を引き出し、債務を弁済した後、残った遺産について分割をする、というものです。この場合、相続人全員が同意しなければ預貯金を引き出すことができない(例外もありますが)ので、注意が必要です。

遺産よりも債務の方が多い債務超過のケースでは、相続放棄の手続を取ることが多いでしょう。相続放棄は、相続の開始を知ってから3ヶ月間という短い期間制限があるので、注意が必要です。

ご自身が相続人となった場合は、できるだけ早く亡くなられた方の財産および債務を調査し、相続放棄をするか否かを判断した方が良いでしょう。

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2021.10.19

遺産分割手続〜株式などの金融商品〜

亡くなられた方が、株式や国債、投信信託などを持っていることも少なくありません。特に故人が経営者だった場合、自社の株式を持ったまま亡くなることもあるので、株式の遺産分割は事業の継続にとって重要となります。

株式の場合は、相続によって当然に相続人に分割されるものではなく、遺産分割が完了するまで相続人が共同して株式を持つ、準共有の状態になります。その場合、各人が株主としての権利を行使することはできず、権利行使者を指定しなければならないなどの手間がかかります。

その場合、会社経営に参画していない相続人が株主としての権利を行使するる者として指定されると、会社に不都合が生じるリスクがあります。したがって、中小企業においては、自社の株式の3分の2以上を現在の代表者に集中させることをお勧めします。

国債や投資信託の場合も、相続によって当然に分割されるものではなく、遺産分割手続を経た上で、分割手続をしたり、払い戻しをしたりすることになります。投資として上場企業等の株式を所持している場合も、同様です。

中小企業において、先代社長が自社の株式を持ったまま亡くなった場合、経営に参画していない者が株式を行使するリスクがあります。経営者が亡くなった場合の遺産分割につきましては、お気軽に弁護士に相談することをお勧めします。

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2021.09.21

遺産分割手続〜貴金属や家財道具など〜

 亡くなられた方が持っていた貴金属などの動産は、どのように分割すれば良いでしょうか。

法律上、動産も遺産分割の対象になります。しかし、登録制度がある自動車などの場合を除くと、その動産が現存するのか、現存するとして亡くなった被相続人の所有物なのか、がはっきりしていないことも少なくありません。

貴金属や美術品、骨董品が相続財産として主張されることがありますが、これらの遺産を分割対象とするためには、相続人全員で遺産分割の対象とすることについて合意をする必要があります。合意ができない場合は、遺産であることを主張する者が、遺産確認を求める訴訟を提起しなければならなくなるでしょう。

動産は特定や評価が難しいため、実務では遺産分割の対象とせず、「形見分け」という形で配分することも多いようです。

ただ、骨董品や高級腕時計など、数百万以上の価値がある動産がある場合、遺産分割の対象にしないと不公平が生じることもあるので、状況によっては遺産分割の対象になるよう働きかける必要があるでしょう。

貴金属や美術品などが遺産として主張される場合は、その分割方法について弁護士に相談することをおすすめ致します。

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2021.09.07

遺産分割手続〜遺産から生じた賃料〜

 亡くなられた方が不動産を持っており、かつその不動産を他人に賃貸していた場合、賃料が発生することになります。この賃料は、遺産分割においてどのように扱われるのでしょうか。

生前において賃料が支払われていた場合、支払済の賃料は相続財産にはなりません。すでに支払われている以上、賃料債権は存在しないからです。

死亡後の賃料はどうなるのでしょうか。最高裁判所は、遺産である不動産から生じる賃料は、当然に遺産分割の対象となるものではなく、各相続人が相続分に応じて取得する共有財産であると判断しています。

とはいっても、相続人全員が、不動産の賃貸借状況や、賃料の支払状況を把握しているわけではないため、個々の相続人が賃料を請求することは簡単ではありません。そのため、実務においては、相続人の合意によって、死亡後の賃料についても、遺産分割の対象とすることが少なくありません。

なお、遺産分割後に生じた賃料は、賃貸している不動産を取得した相続人のものになります。

賃貸不動産がある遺産分割は、やや複雑なところがあります。

一度弁護士にご相談することをおすすめ致します。

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2021.08.10

遺産分割手続〜不動産の分割〜

亡くなられた方が不動産を所有していた場合、その不動産も相続財産となります。預貯金に比べ、不動産の遺産分割はやや複雑になっております。

不動産の分割には様々な方法がありますが、よく見られる方法が、(1)1人の相続人が単独で取得する、(2)売却して金銭を分割する、(3)複数の相続人で共有するというものです。

故人の自宅など、相続人が現状でも居住している場合は、(1)のように、居住している相続人が取得するケースが多いようです。このケースでは、その不動産以外に財産がない場合、他の相続人の法定相続分に応じて、不動産を取得した相続人が代償金と呼ばれる金銭を支払うことがあります。

どの相続人も不動産を取得する希望がない場合などは、売却して代金を分割する方法を検討します。ただ、必ずしも希望の金額で売れるとは限りません。都市部の住宅地であれば売却は比較的用意ですが、農地や山林など、売却そのものが難しい場合もあります。

複数の方が居住しているときは、相続財産である不動産を共有する場合もあります。遺産分割をしないで不動産の登記を変更する場合は、法定相続に応じて共有する登記をすることになります。

また、不動産にローンがある場合などは、債務を誰が返済するか等についても協議する必要が生じてきます。

不動産の分割は複雑なケースが多いので、早めに弁護士にご相談いただくと良いと思います。

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2021.07.27

遺産分割手続〜預貯金の解約〜

我が国の法制度では、遺産を相続人に分けるために、遺産分割という手続が必要になります。相続人の間で揉めていなくとも、遺産の分割という手続をしなければなりません。

多くのケースで遺産となるのは、金融機関の預貯金です。

預貯金の名義人が亡くなった場合は、遺産分割手続を行い、預貯金を誰が取得するかを明らかにした上で、解約や払戻の手続を行う必要があります。

具体的な手続は金融機関によって異なるものの、おおむね金融機関の用意した書面に相続人全員が署名し、実印を押印して、印鑑証明書や戸籍等の必要書類を提出するという方法で解約・払戻の手続を行っています。最近は新型コロナウィルス感染防止の観点から、全て郵送で手続を行う金融機関も増えてきました。

これまで、遺産分割の手続が終わるまでは、相続人が単独で金融機関から払戻を受けることはできませんでしたが、民法の改正により、令和元年7月1日からは一定額については単独で相続人が単独で払戻しをすることが可能になりました。

もっとも、全ての預貯金を解約するには、相続人全員が署名・押印する書面を用意するか、裁判所の調停調書や審判書が必要になります。

相続人同士で揉めてなくとも、必要書類が多かったり、手続が大変だったりするため、専門家に依頼する方も少なくありません。専門家に依頼した方が安心、という方もいらっしゃると思います。

ただ、相続人の間で揉めているケースでは、弁護士でなければ代理人となることはできません。弊所では、揉めていないケースのみならず、当事者間で揉めているケースでも遺産分割に対応させていただいております。

相続手続の必要がありましたら、お気軽にご相談いただければと存じます。

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