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2021.09.07

遺産分割手続〜遺産から生じた賃料〜

 亡くなられた方が不動産を持っており、かつその不動産を他人に賃貸していた場合、賃料が発生することになります。この賃料は、遺産分割においてどのように扱われるのでしょうか。

生前において賃料が支払われていた場合、支払済の賃料は相続財産にはなりません。すでに支払われている以上、賃料債権は存在しないからです。

死亡後の賃料はどうなるのでしょうか。最高裁判所は、遺産である不動産から生じる賃料は、当然に遺産分割の対象となるものではなく、各相続人が相続分に応じて取得する共有財産であると判断しています。

とはいっても、相続人全員が、不動産の賃貸借状況や、賃料の支払状況を把握しているわけではないため、個々の相続人が賃料を請求することは簡単ではありません。そのため、実務においては、相続人の合意によって、死亡後の賃料についても、遺産分割の対象とすることが少なくありません。

なお、遺産分割後に生じた賃料は、賃貸している不動産を取得した相続人のものになります。

賃貸不動産がある遺産分割は、やや複雑なところがあります。

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