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2021年07月
2021.07.27
遺産分割手続〜預貯金の解約〜
我が国の法制度では、遺産を相続人に分けるために、遺産分割という手続が必要になります。相続人の間で揉めていなくとも、遺産の分割という手続をしなければなりません。
多くのケースで遺産となるのは、金融機関の預貯金です。
預貯金の名義人が亡くなった場合は、遺産分割手続を行い、預貯金を誰が取得するかを明らかにした上で、解約や払戻の手続を行う必要があります。
具体的な手続は金融機関によって異なるものの、おおむね金融機関の用意した書面に相続人全員が署名し、実印を押印して、印鑑証明書や戸籍等の必要書類を提出するという方法で解約・払戻の手続を行っています。最近は新型コロナウィルス感染防止の観点から、全て郵送で手続を行う金融機関も増えてきました。
これまで、遺産分割の手続が終わるまでは、相続人が単独で金融機関から払戻を受けることはできませんでしたが、民法の改正により、令和元年7月1日からは一定額については単独で相続人が単独で払戻しをすることが可能になりました。
もっとも、全ての預貯金を解約するには、相続人全員が署名・押印する書面を用意するか、裁判所の調停調書や審判書が必要になります。
相続人同士で揉めてなくとも、必要書類が多かったり、手続が大変だったりするため、専門家に依頼する方も少なくありません。専門家に依頼した方が安心、という方もいらっしゃると思います。
ただ、相続人の間で揉めているケースでは、弁護士でなければ代理人となることはできません。弊所では、揉めていないケースのみならず、当事者間で揉めているケースでも遺産分割に対応させていただいております。
相続手続の必要がありましたら、お気軽にご相談いただければと存じます。
2021.07.13
遺産の調査
遺産分割は、亡くなった方の遺産を相続人間で分ける手続です。
そのため、分割する遺産の範囲を明らかにしなければなりません。
遺産として分割の対象となる財産には、預貯金、不動産、株式などの金融商品、自動車、貴金属などの動産など、さまざまなものがあります。
このうち、不動産や預貯金については、所在や金融機関が判明すれば比較的容易に調査をすることができます。他方、貴金属などの動産は、特定することが難しい場合があり、相続財産に該当することを立証できない場合もあります。
実務でも、貴金属などの動産は、事実上「形見分け」をしたこととし、遺産として扱わないケースも少なくありません。
預貯金についても、相続時(亡くなった方の死亡時)の金額より、分割をする時の金額が少なくなっていることもあります。そのような時、どの時点の金額を遺産の対象とするかについて、争われることもあります。
なお、亡くなった被相続人が相続人の一人を生命保険金の受取人に指定した場合、その相続人が受け取った保険金は、遺産分割の対象になりません。
相続の手続を行うには、遺産の内容を把握することが不可欠です。
「遺産の範囲がよくわからない」という方は、お気軽にご相談いただければと存じます。
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